『ザ・グレート・ウォー: ウェスタン・フロント』では、ゲーム全体で「2種の指揮官」の役割を担い、「大局的な戦略」と「リアルタイムストラテジー」の両面から戦いを動かしていくことができます。つまり、戦争そのものを俯瞰して勝利のために長期戦略を練りながら、実際に戦場へ向かってあらゆる戦いを指揮してその結果を左右させることもできるということです。

後者は「野戦指揮官」の役割の一環としておこなわれます。野戦指揮官は、塹壕戦のあらゆる戦術的・戦略的要素を含め、発生した戦いのあらゆる面を統括します。 こうした塹壕での戦闘が第1次世界大戦の西部戦線を決定づけています。重要な領土を巡って両陣営が苛烈に争い、消耗していくのです。

本記事では『ザ・グレート・ウォー: ウェスタン・フロント』におえる塹壕戦の主な部分を見ていき、戦闘前の計画、有効な同時攻撃のやり方、巧妙に移動する敵から陣地を守る方法などを確認していきます。

最高、最適の計画とは…

Image of trench layout options in The Great War: Western Front

野戦指揮官はキャンペーンにおけるあらゆる戦いの前に、自軍側の準備を進める猶予が与えられます。この戦闘準備フェーズ中に塹壕、補助陣地、防御設備などを設置することで、自軍側の戦術を補強し兵士をサポートできます。

戦闘準備で重要なのは、塹壕網を配置し、自軍部隊が戦闘で必要な支援、安全性、そして戦略的アドバンテージを用意することです。プレイヤーは様々な種類の中から塹壕を選んだあと、塹壕を掘る場所と近くの塹壕とのつなげ方を選ぶことが可能です。なお塹壕には、防御性能こそ低いものの上部から兵士が攻撃できる基本的な射撃区画、補強された防御性能があるものの攻撃できないブロックハウス型塹壕などが存在します。

塹壕の数もさることながら、配置場所と形状もまた重要です。塹壕の配置を適切におこなうことで、自軍にとって有利な射界を確保でき、塹壕を大量に配置すれば、中間地帯を無理やり横切ったりせず、遮蔽物のある場所で自軍兵士を進軍・後退させることが可能です。どの塹壕もプレイヤーが位置を決めることができますが、ただ1つ、前線より遠い場所にあり、高級将校が命令を出したり情報を集めたりするために配置される「司令部塹壕」だけは変更できません。自軍および敵軍の司令部塹壕は戦場に配置された状態で開始され、いずれかの部隊が敵側の司令部塹壕を奪取すると、すべての制圧ポイントも奪取した側のものとなり、そのテリトリーにおける完全勝利を手にすることになります。つまり、塹壕および防備を考えて配置すれば、攻勢に出る場合のアドバンテージになるだけでなく、司令部塹壕の守りを可能な限り固めることができることにもなるのです。

以前に訪れた戦場に戻ってみると、過去の戦闘で使用された塹壕の跡が残っています。これらを管理・修復して、さらに追加の塹壕を配置することで塹壕網をさらに強化することが、この状況における最善手となるでしょう。攻勢に出る場合でも、敵の猛攻から自軍部隊を守る場合でも、塹壕の運用があらゆる戦いで大きな役割を果たし、結果を左右します。

Example of how barbed wire can be placed in The Great War: Western Front

野戦指揮官は、塹壕の周辺にさらに部隊の支援に使用できるリソースを展開することが可能です。砲兵陣地を配置すると、長距離攻撃を実行したり、敵の防御設備に損傷を与えたりできます。塹壕の端部に機関銃陣地を設置すれば、自軍に向かって進軍してくる敵を制圧するのに役立つでしょう。有刺鉄線を置いておけば敵部隊の進軍を遅らせることができ、さらには戦場で自軍の戦術に有利な場所へ敵戦力を誘導できる可能性もあります。

戦闘準備フェーズ中に最後にやっておくべき事は、第1次世界大戦中に実際におこなわれた搦め手、「坑道発破」です。秘密裏に戦場の地下にトンネルを掘り、敵軍の前線にある塹壕の真下まで掘り進めます。そしてそこに爆薬を仕掛けて爆破するという防衛不可能な直接攻撃をおこなうことになります。

坑道発破は『ザ・グレート・ウォー:ウェスタン・フロント』で研究を行うことで解放される攻撃戦術です。戦闘準備フェーズ中、「坑道発破」を選択し、攻撃したいエリアをマップ上から選択します。一旦戦闘が開始されると、爆薬を起爆させるタイミングを自由に決めることができるので、最大限の損害と自軍の戦術的優位性を確保できるように使いましょう。坑道発破攻撃が成功すると巨大なクレーターが残り、敵に多大な損害を与えられるため、敵軍の防備に対する突破口を作り出すチャンスにもなります。

これらの手段を活用するには「物資」が必要となります。物資は キャンペーン攻略中にいつでも購入することが可能です。必要な塹壕や防備を展開できるように、戦闘を開始する前に十分な量の「物資」を確保しておくようにしましょう。ただし、戦闘中に物資を使い過ぎると、今後の戦いで選択肢が狭まる可能性もあります。

すべてはタイミングに有り: 塹壕戦の戦術

以上の準備は戦闘準備フェーズでおこなわれるものですが、いずれは戦闘が開始されることになります。一旦戦いが開始されれば、プレイヤーは野戦指揮官として、アイテムや資源から部隊や武装の配備・移動へと目を向けなければなりません。

どの戦いもそれぞれに異なる防衛と攻撃の配合から成り、新たなシナリオに合わせて戦略を組み立てる必要があります。攻勢に出るのであれば、緒戦で全力攻撃に出るのは、進撃の最適解とは言えない戦法です。戦いにおいては武器や兵士だけでなく、効率とタイミングも重要なのです。

敵の位置まで近づきたいのであれば、塹壕網を活かして戦場にいる部隊を敵の攻撃から保護しながら動かしましょう。まず部隊が塹壕にどのように散らばっているかを確認しましょう。特定位置における戦力が増強されるまで待つのがいいか?特定の地点を制圧する場合は、一点集中で仕掛けるべきか、それとも複数の方向から攻撃するべきか?部隊は個別に命令を出すことも、グループとして一括で動かすことも可能です。攻撃計画を調整し、兵士たちを守り、敵戦力の圧倒を狙うのが良いでしょう。

塹壕の中を進むのは便利ではありますが、攻撃するには塹壕を乗り越えて中間地点へ出ていく以外に手段が無いような状況も出てくるでしょう。この戦法は第1次大戦の戦術戦と同じく、多大な慎重さと検討を重ねなければ、多くの損害が発生してしまう危険を孕んでいます。このように積極的な攻勢に出る場合は、常に自軍兵士を守れ、そして敵軍が十分に防衛できなくなる方法が無いか考えておきましょう。

Screenshot of rolling artillery fire creating cover for troops in The Great War: Western Front

塹壕外で進軍する際の第1次大戦における常套戦術が、自軍兵士の前に移動弾幕射撃を行い視界を奪う、という方法です。これにより煙の壁ができ、敵の中間地帯に対する視界を塞ぎ、進軍する自軍部隊に一定の守りを与えることができます。『ザ・グレート・ウォー: ウェスタン・フロント』における野戦指揮官は、自軍兵士が目標地点に到着する直前に砲撃を加えることで、この戦術を再現することが可能です。ただし理想的な瞬間に煙が上がり、自軍兵士が砲撃に巻き込まれないようにするには、タイミングと連携が極めて重要です。

こういった場合には、航空機を使って地上部隊の援護を行うこともできます。新たな航空機技術の研究と投資をおこなえば、戦闘中により強力な航空支援が可能になります。地上で攻勢にでるのに合わせて航空部隊を送り出すことで、敵の銃砲を黙らせたり、防御設備を削ったり、自軍部隊に大きなアドバンテージを与えたりすることが可能です。

ここより一歩も動かず

これらリアルタイムで繰り広げられる戦闘は、なにも攻撃と戦場での移動ばかりではありません。『ザ・グレート・ウォー: ウェスタン・フロント』の野戦指揮官の仕事には、敵の攻撃に対する対抗策の検討、自陣や資源の防衛なども含まれます。

連合軍も同盟軍も、敵に対して綿密に練り上げられた攻撃を仕掛けることを目標とします。複数の方角からの攻撃を撃退し、地上や上空からの砲火から身を守りつつ、何としてでも戦場の自軍陣地を守り抜きましょう。

こうした防衛フェーズでこそ戦闘準備における判断が活きてきます。塹壕の前に有刺鉄線を配置しておけば、敵部隊の動きを遅らせたり、自軍の戦術に合った地点へ誘導したりすることができます。また塹壕の各所に機関銃を配置しておくと、塹壕にたどり着ける敵兵士の数を減らすことが可能です。通信塹壕を使って、自軍部隊を必要な地点に配置していきましょう。前線に位置する射撃塹壕には、敵の進軍を撃退するのに十分な数の兵士を配置しておきましょう。さらにブロックハウス式塹壕をおいているのであれば、この防御の厚いエリアに自軍を移動すると敵の砲撃や航空攻撃から守ることができます。

Example of a blockhouse trench in The Great War: Western Front

敵軍は波状攻撃を仕掛けてくる場合もあるため、自陣を守るには援軍が必要になるかもしれません。陣地を守れるように、歩兵部隊を適切な位置に置き、戦場の主な区画に十分な戦力を確保しておくようにしましょう。敵は巧みに、戦略的に、そして抜け目なく自軍側を圧倒しようと手を打ってくるはずです。そのためにも戦力、防御設備、戦略的判断を駆使し、これを撃退しましょう。

『ザ・グレート・ウォー: ウェスタン・フロント』で戦術を適応させるには

『ザ・グレート・ウォー: ウェスタン・フロント』のキャンペーンでは、完全勝利を得るために特定の地域を巡って複数回戦うことになるでしょう。そして変化が残りつづける環境であるからこそ、同じ戦場での塹壕戦はその都度姿を変えてきます。発生した損傷、配置された防御設備など過去の戦いで置かれたものはそのまま残り、そのため次の戦闘の進み方も変わってきます。たとえば以前に置かれた塹壕を再利用したり、改修したり、再配置したり、逆に敵に使用されたりもします。

塹壕戦の流れには天候も関わってきます。大量の雨が降り注げば、泥濘と柔らかくなった地面がクッションと化すため砲撃の有効性は下がります。天候が寒くなれば、兵士の移動力と士気は低下する場合があり、地上からの攻撃の有効性が減少する可能性があります。このような要素はいずれも野戦指揮官としての戦略に織り込んでおくべきであり、そうすればキャンペーン中に起こる戦い毎に戦術を適応させていくことができるでしょう。

歴史的戦闘では、第1次大戦で転換点となった6つの戦いに飛び込んで、目標の達成を目指します。プレイヤーの役割は野戦指揮官に限られ、自軍のリアルタイム戦術を統括しながら、命令を出したり判断を下したりして、戦いを有利に進めていくことになります。ただし、起きる場所、地形の状態、配置されている防御設備、使用可能なリソースなどの戦闘条件は、実際の戦いに基づいて事前に設定されています。各シナリオでどれだけ最善を尽くせるか、そして勝利への布石を打てるかは、プレイヤーの腕次第です。

「緻密な攻撃を実行して敵の領地を制圧する」「軍の陣地を複数回の波状攻撃から固守する」。そのどちらであっても、『ザ・グレート・ウォー: ウェスタン・フロント』の塹壕戦は、常に戦術的な能力を試してくる場です。部隊とリソースを有効に展開し、作戦のタイミングを上手く調整し、戦いのバランスを自軍側に傾けましょう。

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